家にはいたくない、だが気力と体力がついてこない。そんな時は車で1時間の玉翠楼。高尾もそうだが、このあたりも梅と桜が一緒に咲いていて、なんだか珍しい春の風景になっている。
前回はお休みだったタイル張りの「玉の湯」でまず和む。タイルで描かれた壁の美人画(?)が泣かせる。アルカリ性冷鉱泉、循環の42度。
「強アルカリ源泉|美男風呂|不動ノ湯」とか、やたら張り切ってる露天風呂。露天にしては熱めで悪くないお湯だが、休日の午後は山帰りの日帰り客で混雑するのが難点。泊まって朝一番に入るのが最適解。
猪鍋がメイン料理だったり猪グッズが大量に展示してあったり、この宿はある意味イノシシテーマパークなので、風呂にも当然鎮座している。浅野祥雲のコンクリート像を身近に育った愛知生まれとしては、郷愁すら覚える脱力感だ。
でもやはり、お湯の良さでは部屋風呂にかなわない。蛇口からヌルヌル新鮮なお湯が出るからだが、冷水の方はさらに生の源泉だということに気付いた。沸かす前の水にははっきり硫化水素臭があり、飲むと単純硫黄泉そのものの味がする。分類なんてのは所詮法律の都合、冷鉱泉でも良いものはいくらでもある。
幼児の手を引きゆっくり1時間、林道を登ると大釜弁財天の滝に着く。お散歩コースも充実していて、近所にこういう良宿があるのは実にありがたい(※個人の感想です)。