別の趣味の都合で連休の予定はいつもギリギリになるまで決められず、10日前くらいになってあてずっぽうに予約している。まるでダーツの旅、今年は沓掛温泉。結果は正解。地味な温泉地の地味な宿だが、のんびりするということにかけてはこれ以上ない選択だった。
飾り気のない小ぶりの浴場でも、5組程度の客入りであれば十分。泉温が低いので循環加温しているものの、浴槽内の加温口からも源泉を足しているらしく、見かけの投湯量以上にたっぷりオーバーフローしている。単純泉41度、ほんのり硫化水素臭あり。窓から見下ろす田んぼの景色には、鯉のぼりも泳いでいてなかなか気分がいい。
共同浴場の存在も沓掛の魅力。もっとも、連休中ということもあって明るいうちから混雑しており、のんびり入れたのは夜遅くになってからだが。
奥の小浴槽40度、手前は37度未満。いずれも(たぶん)加温なしの源泉そのもの。上田周辺の温泉はどこも似たような泉質で甲乙つけがたいが、温泉臭さに限って並べれば、鹿教湯温泉<沓掛温泉<別所温泉<上山田温泉といったところか。
共同浴場の脇にあるのは足湯、ではなく野菜洗い場。もちろん源泉かけ流し。温泉地というより、河岸段丘上の古い村落というのが沓掛温泉の正体。