上諏訪の湯小路は一見ただの市街地なのに、共同浴場が林立している不思議な土地だ。ペンキの板壁がいい味出してるこことか、
名前すらよくわからないこことか。
もっともこれらは地元民専用で、よそ者を受け入れてくれるのは大和温泉だけ。箱根や伊豆の硫酸塩泉のように薄緑がかった極上の単純硫黄泉、42-3度。総硫黄が60mg超と酸性泉でもないのに濃厚、関東甲信越ではこの部門随一だと思う。
しかし、シャワーどころかカランすらない大和温泉は難易度高く、嫁子供を連れていくにはちょっと辛い。そこで隣接する福祉センター「湯小路いきいき元気館」。どこにでもある公共施設だが、源泉は大和温泉と同じ、循環ながらしっかり硫化水素臭がする。雰囲気はないが、まがい物の「天然温泉」と比べるのも失礼なレベルだ。駐車場と休憩所が使えるのもありがたい。
それにしても、こんなに素晴らしい湯が湧くのに、宿の一軒もないとはもったいない。