2013年1月2日水曜日

湯田川温泉つかさや旅館

モンテディオがJ1に上がった夏、アウェイ観戦のついでにここまで足を延ばした以外鶴岡とは縁もゆかりもないが、娘は私を「だだちゃ」と庄内弁で呼んでいる。と言うか呼ばせている。だが、2歳を過ぎ取り返しがつかなくなった今ごろ、この単語は親族呼称として使えないのではないかと不安を覚え、聞き取り調査を兼ね再訪することにした。もちろん、ここのお湯に感動し、次は冬にと思い続けていたせいでもある。


多くの古い温泉地同様湯田川も外湯を前提にできているからか、宿の内湯はどこも小ぶり、5人も入れば満員の浴室がここでは「ゆったりの湯」と呼ばれている。メインの共同浴場「正面の湯」(上写真奥)の隣りという好立地で泉源至近、その新鮮なお湯をどっぱどっぱと投入している。43度弱という泉温がそのまま入浴適温のおかげで、浴槽サイズと投入量がいい意味でアンバランスになり、理想的な湯温と鮮度を常に保っている。つくづく、かけ流しはバランスが命だな、と。無味無臭のNaCa硫酸塩泉、42度。


極めつけはもう一つの内湯「こじんまりの湯」。よそなら間違いなく家族風呂扱いのミニ浴槽を、ゆったりの湯と同じくらいの勢いで惜し気もなくかけ流している。


この感動的な湯量! 投湯口の黒いライオンが、析出物でなんだかよく分からない生物になっているのもいい味出している。


若い経営者が研究熱心なのだろう、部屋にもロビーにも冷水ポットを常備したり、連泊中に浴衣とバスタオルをこまめに交換してくれたり(←一切しない宿もよくある)、気の利いた温泉宿に共通したさりげないサービスを適度に取り入れているのも好印象だ。もっとも、この風呂は激しく人を選ぶだろうから、誰にでも薦められるわけではないが。