復路のビバークもやっぱり適当チョイス、東京への距離重視で越後湯沢にした。雪のおかげで写真写りはいいが、中身はスキー客相手の観光旅館、風呂に対する愛情のかけらもなかった。本来なら取り上げたくもないが、かけ流しのバランスという意味で面白い比較材料なので記録しておく。
まずは貸切風呂。これを岩風呂と名乗る度胸も大したものだが、問題は運用の仕方にある。泉温が50度ほどあるせいで投入量はほんのちょろちょろなのに、清掃もせず30分間隔で次から次へと客を入れるため、夜遅くには湯量は減り、淀んでしまってとても入れたものではない。考えなしにかけ流しなんかにせず、これなら循環にした方がよほど衛生的だ。実際大浴場は循環で、スーパー銭湯だと思えばそれなりに納得できるお湯だった。
唯一の(まぐれ)当たりが露天の「炭釜の湯」。本当に釜を焚いているのかと錯覚するくらい派手に湯気を立てているが、実際手加減なしの熱さで親子連れが悲鳴を上げていた。こちらは逆に高温の源泉をダダ漏れに投入しているためで、これも考えなしの結果だが熱い湯好きにはたまらない。弱アルカリ性単純泉、45度超。湯の回転が良く、しかも誰も入れないおかげでいつでも新湯というのがうれしい。
ただし、湯上がりに腐った床板を踏み抜き(写真右奥)、足を切ったのは余計だった。