2013年1月4日金曜日

越後湯沢温泉白銀閣

復路のビバークもやっぱり適当チョイス、東京への距離重視で越後湯沢にした。雪のおかげで写真写りはいいが、中身はスキー客相手の観光旅館、風呂に対する愛情のかけらもなかった。本来なら取り上げたくもないが、かけ流しのバランスという意味で面白い比較材料なので記録しておく。


まずは貸切風呂。これを岩風呂と名乗る度胸も大したものだが、問題は運用の仕方にある。泉温が50度ほどあるせいで投入量はほんのちょろちょろなのに、清掃もせず30分間隔で次から次へと客を入れるため、夜遅くには湯量は減り、淀んでしまってとても入れたものではない。考えなしにかけ流しなんかにせず、これなら循環にした方がよほど衛生的だ。実際大浴場は循環で、スーパー銭湯だと思えばそれなりに納得できるお湯だった。


唯一の(まぐれ)当たりが露天の「炭釜の湯」。本当に釜を焚いているのかと錯覚するくらい派手に湯気を立てているが、実際手加減なしの熱さで親子連れが悲鳴を上げていた。こちらは逆に高温の源泉をダダ漏れに投入しているためで、これも考えなしの結果だが熱い湯好きにはたまらない。弱アルカリ性単純泉、45度超。湯の回転が良く、しかも誰も入れないおかげでいつでも新湯というのがうれしい。


ただし、湯上がりに腐った床板を踏み抜き(写真右奥)、足を切ったのは余計だった。

2013年1月3日木曜日

湯田川温泉正面の湯・田の湯

連泊中日は雪で散歩もままならず、共同浴場をつまみ食いして終わった。2か所ある共同浴場はいずれも宿の人に鍵を開けてもらう方式、日帰り客は近くの店でお願いする。


宿と同じ泉源のNaCa硫酸塩泉、浴槽が大きめかつ深い分ややぬるく41度程度。相変わらずのどばどばアンバランス投入がすばらしい。10人も入れない浴槽にこれ(この写真では伝わらないか)。もっとも、比率で言えばつかさやの小浴場が頭抜けている。真昼間にもかかわらず、帰省客らしき親子連れなどで人の出入りは多い。


こちらは正真正銘の共同浴場、田の湯。路地の中の目立たない場所にあり飾りっ気皆無、地元専用と思った方がいい。同じく、キーカードでピッと解錠してもらって入る。


外観同様何の変哲もない、しかし手入れの行き届いた浴室。3人入ると肌が触れ合いそうなところに爺様方が次々やってくる。正面の湯がある分どうにも申し訳ない気がし、早々に退散した。お湯はここもまったく同じ。


正月三が日ということもあるだろうが、どちらもなかなか落ち着いて入れなかった。昼間のつかさやは小浴場が男湯になっていたこともあり、結論としては宿でまったりするのがベストだったな、と反省。

2013年1月2日水曜日

湯田川温泉つかさや旅館

モンテディオがJ1に上がった夏、アウェイ観戦のついでにここまで足を延ばした以外鶴岡とは縁もゆかりもないが、娘は私を「だだちゃ」と庄内弁で呼んでいる。と言うか呼ばせている。だが、2歳を過ぎ取り返しがつかなくなった今ごろ、この単語は親族呼称として使えないのではないかと不安を覚え、聞き取り調査を兼ね再訪することにした。もちろん、ここのお湯に感動し、次は冬にと思い続けていたせいでもある。


多くの古い温泉地同様湯田川も外湯を前提にできているからか、宿の内湯はどこも小ぶり、5人も入れば満員の浴室がここでは「ゆったりの湯」と呼ばれている。メインの共同浴場「正面の湯」(上写真奥)の隣りという好立地で泉源至近、その新鮮なお湯をどっぱどっぱと投入している。43度弱という泉温がそのまま入浴適温のおかげで、浴槽サイズと投入量がいい意味でアンバランスになり、理想的な湯温と鮮度を常に保っている。つくづく、かけ流しはバランスが命だな、と。無味無臭のNaCa硫酸塩泉、42度。


極めつけはもう一つの内湯「こじんまりの湯」。よそなら間違いなく家族風呂扱いのミニ浴槽を、ゆったりの湯と同じくらいの勢いで惜し気もなくかけ流している。


この感動的な湯量! 投湯口の黒いライオンが、析出物でなんだかよく分からない生物になっているのもいい味出している。


若い経営者が研究熱心なのだろう、部屋にもロビーにも冷水ポットを常備したり、連泊中に浴衣とバスタオルをこまめに交換してくれたり(←一切しない宿もよくある)、気の利いた温泉宿に共通したさりげないサービスを適度に取り入れているのも好印象だ。もっとも、この風呂は激しく人を選ぶだろうから、誰にでも薦められるわけではないが。

2013年1月1日火曜日

大湯温泉和泉屋旅館・雪華の湯

正月旅行の目的地は山形の鶴岡だが、子連れで1日で行くのはさすがにつらいので、中間の新潟県内でビバークすることにした。宿の選択条件は源泉かけ流しのみ、贅沢は言わない。となると結果は自明、減価償却しまくった温泉街のそれなりの宿と相成る。お世辞にもきれいな宿とは言えないが、ロビーをはじめ中はそこそこ手入れが行き届いていて居心地は悪くない。このくたびれっぷり、実は案外好きだったりする(家族はいい迷惑、か)。


風呂は古びたタイル張りの大浴場のみで露天も貸し切りもない。だが泉源至近のおかげでお湯はやたらにいい。50度近いお湯を適度な広さの浴槽にどぼどぼ注ぎ、全体がむらなく適温で気持ちがいい。単純泉42度。浴室に充満した湯気のかぐわしさ、冬は内風呂に限る。


この温泉街はどの宿も同じくらい古びているが、和泉屋隣りの共同浴場「雪華の湯」だけは場違いに立派で新しい。浴室は定員5~6人程度の標準的な共同浴場サイズで、4対6に分割された浴槽は、狭い方が45度超の高温浴槽、広い方が42度弱の低温浴槽となっている。高温浴槽はかけ流し、低温側も循環装置はあるものの止まっているようだった。正月早々村の人で混み合っていたこともあり、ピリッとした熱いお湯に5分だけ入って上がった。


ここは基本的に地元専用で日帰り客お断りだが、宿泊客は宿でチケットを買って入浴することができる。だが見たところ他の客は地元の人ばかりで(お風呂セット持参でそれと分かる)、しかも爺様方より3~40代の若い衆が多いのは意外だった。