2012年2月25日土曜日

奥湯河原温泉青巒荘

じじばばの接待で奥湯河原温泉青巒荘(せいらんそう)へ。


一見それっぽい佇まいだが、これは尋ねなければ分からない裏メニューのような庭園で、大半の宿泊客には関係ない。表の目玉商品は滝を見ながら入浴できる野天風呂。川を渡るアプローチの演出はいかにもな感じだが悪くない。


環境もいい。お湯もまずまず。しかし、落石対策なのか鳥対策なのか、ゴルフ練習場のようなネットが張り巡らされているのは興醒めだ。風呂をアトラクション程度にしか思っていないがさつな客が多いのも難点。


そもそも宴会場とカラオケで慰安旅行を取り込むような宿を選んだのが敗因。結局と言うか例によって、昭和型レトロ部屋風呂を堪能することにした。


こちらも地域の共同配湯システムから引き湯しており本物の温泉が出る。NaCa塩化物・硫酸塩泉、蛇口での温度は60度ほど。香りと肌触りは硫酸塩泉、味と風呂上がりの粘りは食塩泉。これなら好きな時好きな温度で、大浴場や野天よりずっと新鮮なお湯に浸かれる。極楽。

2012年2月12日日曜日

24時間耐久温泉巡り(4)

第五湯 湯ノ花温泉弘法の湯

南会津の山間部を約200kmぐるりと回り、最初の木賊と尾根ひとつ隔てた湯ノ花温泉まで戻ってきた。まずは弘法の湯、新しく小奇麗な共同浴場。


無味無臭の単純泉で、こってり肌に付いた大塩までの温泉成分を洗い流す(バチ当たるな)。オーバーフローしたお湯の流れる洗い場に寝ころんだら気持ちよさそうだが、行儀悪いので自粛。最初はぬるくて今ひとつだったが、地元のおじさんがバルブを開いて豪快にお湯を注ぎ熱くしてくれた。40→42度。


聞けば隣りの民宿のご主人とのこと。六十は超えていそうだがこの地では若手、ふたつの共同浴場の管理を任されているようだ。この土地の(良くも悪くも)観光地意識のなさ、雪かきの苦労などを聞く。都会暮らしの経験がありそうな理路整然とした語り口。

第六湯 湯ノ花温泉湯端の湯

本当は弘法の湯で終わりにするつもりだったが、湯ノ花で一番のお湯だとおじさんも勧めるので延長戦、湯端の湯に足を延ばす。こちらも建物は新しくよく手入れされている。いずれもトイレ付きでありがたい。写真右上奥、山腹に建つ温泉神社がこの温泉地の由緒を語る。ただし参道が雪に埋もれていて近寄れない。


単純泉43-44度、心地よく熱い。弘法の湯とは源泉が異なるものの、分析表の数値は誤差の範囲。しかしなぜか湯端の湯にはかすかな硫化水素臭がある。分析表はゼロ記載。


入浴券(何か所入っても200円)を買った雑貨屋も5時には閉まってしまい、食事も買い物もできない。今回の温泉はどこも同じで、お金を落としたくても落としようがない。そこがいいと言えばいい。

以上、結果6湯で終了。 総入浴時間(=総全裸時間)4時間弱。総走行距離800km。入浴料合計たったの1000円。

24時間耐久温泉巡り(3)

第四湯 大塩温泉共同浴場

八町・玉梨温泉から会津川口を経て、只見川に沿って車でゆっくり30分、大塩温泉へ。


これは入口の小屋。写真右奥に階段を下りると、只見川に面して張り付いたような湯小屋がある。中は男女別、5~6人でいっぱいになる真っ茶色の浴槽が「これぞ温泉、That's the onsen」的オーラを放ちまくっている(相客多数につき写真なし、残念)。


含二酸化炭素Na塩化物・炭酸水素塩泉。溶存成分9.646g/kgということは、一般家庭の200リットルの風呂に食塩や重曹や石膏を2キロ近くぶち込んだようなもの。八町・玉梨を煮詰めたような、とにかく濃くてしょっぱい温泉。40-41度。


ぬるいおかげで長湯する人が多く混み合っていた。実はあまり得意な泉質でないこともあり15分ほどで退散。そろそろアゴ出てきた。

24時間耐久温泉巡り(2)

第二湯 八町温泉亀ノ湯

翌朝、田島から昭和村を抜けて金山町の八町温泉へ。「玉梨八町温泉」の雰囲気あるバス停が目印。


例によって川底に下りる階段、たぶん階段だと思われる、雪で柴犬サイズになった小道を下りると、


これまた雰囲気のいい湯小屋にたどり着く。混浴だが相客はなく、小一時間気兼ねなくひとり占めの贅沢。


Na塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉、41-42度。陽イオンを含め、要するに塩泉系の主要イオン全部入り。鉄分で浴槽は褐色だが、にごり湯というほど着色していないのはドボドボ盛大にかけ流しているおかげ。

 

遊離二酸化炭素も多く、口に含むと発泡というほどではないがシュワシュワ感あり。芒硝泉をソーダで割って軽く食塩を加えたような味。玉梨から引いている源泉(右のパイプ、むしろ投入量は多い)と混ぜている。


川向の玉梨に向かう橋から見た様子。川を越しているケーブルのようなものが引き湯の管。奥が亀ノ湯行き、手前は恵比寿屋旅館へ。

第三湯 玉梨温泉共同浴場

八町温泉と川を挟んだ、物置小屋のような(失礼)共同浴場。アプローチが険しくない分、地元の人たちはこの時期こちらをメインにしているらしく、昼間でも爺様方がコンスタントに現れる。隣りに小さなトイレがあるのはありがたい(写真左隅)。


Na炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉、43度。八町の源泉より炭酸感少なめで、塩味がややはっきりしている。やっぱり源泉ドッパドパ。


3人も入ればみっしりの浴室。たぶんコンクリート製の洗い場が、析出物で見事にコーティングされている。

24時間耐久温泉巡り(1)

第一湯 木賊温泉岩風呂

大雪が小康状態になったのを見計らい、スパルタンな温泉巡りを決行。東京から約5時間、南会津の雪道をひた走り深夜の木賊温泉へ。


雪はやんでいるが気温はマイナス13度。川底への小道を慎重に下りる。左手は谷、落ちても朝まで助けは来ない、たぶん。


相変わらず極上の単純硫黄泉、ころころ玉のようなお湯。足元から源泉が湧いている上流の浴槽はちょっと熱めの43-44度。硫化水素イオンはおそらく5mg前後だが、この鮮度のおかげでしっかり匂う。


写真右奥、戸を入ってすぐに、去年まではなかった謎の岩がふたつ。大水で流されてきたのか。靴を履くのにちょうどいい腰掛けになるから放置?