2015年5月23日土曜日

白馬八方温泉おびなたの湯

週末、信州の山から下りて何も考えずまっすぐ帰ると、まず間違いなく渋滞作りに参加することになる。となるとファーストチョイスは立ち寄り湯だが、白馬の中心部はスーパー銭湯じみた施設ばかり、泉質に魅力があるわけでもないのでなおさらつまらない。そこでおびなたの湯、以前通りがかって気になっていた露天風呂に向かった。


風呂はシンプルに露天がひとつ、どかんと。コンクリを流しこんだだけのタタキなど、造りはワイルドのひと言。岩に沿って源泉を冷ましながら投入している。アルカリ性単純泉42~43度、かすかに硫化水素臭。開けているのは一方だけだが、森の空気を吸いながらの入浴は気分がいい。


立地はこの通り沢筋の一軒家。写らなかったが写真奥にはまだ雪渓の目立つ白馬連峰が望める。ただし、隣りにポンプでもあるのか耳障りな機械音が常時聞こえ、残念ながら、見た目ほど落ち着いた環境ではない。


2015年5月7日木曜日

薬研温泉古畑旅館

下北半島温泉巡りの最後はこれまた一点豪華主義、総ヒバ造りの内風呂がうれしい薬研温泉古畑旅館。下風呂の大湯も恐山の湯小屋もヒバ造りだったが、ここの浴室はピカピカに磨き上げられ非常に美しい。そこにこんこんと透明なアルカリ性単純泉が注がれ、もう、うっとりせずにはいられない。42度。


外観はこの通りどこにでもありそうな古びた旅館だが、簡素ながら手入れが行き届いていて居心地はいい。


客室から眺める渓谷沿いの緑も美しく、できることならここでもう一泊のんびりしたい、と後ろ髪を引かれつつ下北半島をあとにした。


・・・その後、大湊線とはやぶさを乗り継ぎ19時過ぎに東京駅到着。ところがその先の電車が事故で止まっており、結局都心のホテルに泊まるはめになった。ああ、もう一泊すればよかった。

恐山温泉冷抜の湯

シュールな光景と見るか合理的と見るか。

恐山菩提寺の境内には、共同浴場の湯小屋が4棟建っている。そこらじゅうにガスと熱湯が噴き出しているわけで、ここに風呂を作るのはとても自然な発想だろう。本気で入りたければ宿坊に泊まるのが理想だが、幼児連れではちょっと難易度が高い。よって泊まりは次回の楽しみとし、お試し的に冷抜の湯に入ってみた。


総ヒバ造りの湯小屋の中は、質素なように見せかけて実はずいぶん手間とお金をかけているようだ。不本意なほど清潔で新しい。分析表が見当たらなかったのであてずっぽう、酸性含硫黄含鉄なんとか泉、43~44度。もちろん硫化水素臭強烈。


下北半島のメインコンテンツだけあり、日中の人の出入りは多い。やはり泊まりがけで、それも冬の夜更けなんかにじっくり浸かりたいものだ。

2015年5月6日水曜日

湯野川温泉寺島旅館

ゴールデンウィークは下北半島温泉巡り、酸性泉とアルカリ泉を交互に楽しむ日程を組んだ。最初は下風呂温泉の素晴らしい酸性硫化水素泉に浸かったわけだが、こちらは前回の記事に任せ省略。

次は湯野川温泉。まさかりの形をした半島の中央部の山中、映画好きには伴淳三郎が左幸子を追ってやってくるあの湯治場というだけでピンとくるだろう。今では立派な道路が通じ、昔ながらの風情はまたくない。かろうじて営業している温泉旅館もこのとおり、それなりに新しい山の民宿という雰囲気だ。


何の変哲もない内風呂が男女各一。硫酸塩泉気味のアルカリ性単純泉、42度。本当にこれだけの特徴のないお湯ではあるが、絶妙な温度のおかげか鮮度のおかげか、とにかく気持ちがいい。


徒歩数分の川岸には日帰り温泉「濃々園」もあったが、相客のいない入り放題の内湯を放棄して出かける意味も見出せずパスした。


ちなみに、車で10分も下ればまた別の日帰り温泉があり、人家もまばらなこのエリアにどうしてこんな立派な温泉施設がポンポン建つのか、不思議でならない。